弾性ストッキングや弾性スリーブのようなリンパ浮腫の治療を目的とした弾性着衣。治療のために必要なものではありますが、なかには高額なものもあり購入に負担を感じる方もいるのではないでしょうか。実は、治療を目的とした弾性着衣は療養費として申請ができます。
今回は、申請の条件や方法、注意点などをまとめましたので参考にしてみてください。
弾性ストッキングは医師の指示のもと購入するのが基本
リンパ浮腫治療用の弾性ストッキングは「治療」のために用いるものであり、主に「美容」の役割を持つ市販の着圧ストッキングとは目的が異なります。
弾性ストッキングは症状に合わせた圧やスタイルを選ぶ必要があるため、必ず医師の指示に従い購入してください。また、購入後に療養費払いの申請を行うためには、医師に発行してもらう「弾性着衣等装着指示書」が必要です。
療養費支給の対象
弾性ストッキングは健康保険に申請することで一部の購入費用が戻ってきます。購入先では全額支払い、その後自分で申請します。また、弾性ストッキングだけではなく、弾性スリーブや弾性包帯も療養費支給の対象です。
※対象となる疾患やその治療状況の要件があります。弾性ストッキングすべてが対象になるわけではありません。
療養費支給の申請について
療養費支給の申請は年2回まで可能。一度申請しましたら、再申請できるのは6か月以上が経過してからです。
※この期間は非常に厳密で、6か月を1日でも超えていないと申請そのものが受理されないことが多いようです。
医師が発行した装着指示書など、健康保険の種類によって申請の際に必要な書類が異なる場合があるので、必ず自分の健康保険の事務所に確認してから申請するようにしてください。
申請までの流れ
弾性ストッキング購入における申請の手順は以下です。
1.リンパ浮腫の治療を受けている病院・医院で、医師に弾性着衣等装着指示書を書いてもらう
2.指示書に書いてある事項に従った製品を購入する
3.領収明細書をもらう(※売店等で提供されるレシートや、金額だけしか書いていない領収証は受け付けてもらえません)
4.申請する(申請場所は加入している健康保険によって異なります)
申請後は2~3か月の審査期間があり、支給される前に「支給決定通知」が届きます。申請してから指定口座に振り込まれるまでの期間は各保険組合によって異なります。
療養費支給についての注意点
支給額には上限があり、上肢用・下肢用・弾性包帯で上限額が異なります。
弾性スリーブ:16,000円
弾性グローブ:15,000円
弾性ストッキング:28,000円(片足用25,000円)
弾性包帯:腕のむくみ用7,000円、脚のむくみ用14,000円
また、支給の対象は圧の指示が30mmHg以上のものです(医師の特別な指示がある場合は20mmHgでも可)。弾性包帯は、弾性着衣を使用できない場合のみ支給の対象なので注意してください。
>>詳しくは「弾性着衣の療養費支給について」をご確認ください。
忘れずに申請して負担を軽減
弾性ストッキングはリンパ浮腫の治療を目的としています。そのため、きちん指示に従ったものを購入する必要があります。忘れないように申請して負担を減らし、しっかりとした治療が受けられるようにしておきましょう。