リンパ浮腫治療用の弾性ストッキングにはさまざまなスタイルがあります。
それぞれにどのような特徴があるのか見ていきましょう。また、弾性ストッキングの選び方についてもご紹介します。
弾性ストッキングにはいろいろなスタイルがある
弾性ストッキングは、ブランドによってスタイルのラインアップが異なりますが、どのブランドでも下記の3スタイルは発売されています。
・パンティストッキング
・ロングストッキング
・ハイソックス
ほかにも、スタイル以外につま先の形状で下記の2種類に分かれます。
・オープントウ(つま先なし)
・クローズトウ(つま先あり)
パンティストッキング
リンパ浮腫の治療で使用される弾性ストッキングでは、最も多く処方されており、選択肢の基本となるのが腹部まで履き上げるパンティストッキングタイプです。
ほとんどのブランドが脚部(足から太ももまで)に圧はあっても、腹部やウエストには圧がかからない設計になっています。腹部に圧がかかるタイプを希望する場合は、「腹部加圧タイプ」が選択できるブランドを選びます。
色は、ベージュが一般的ですがブランドによってはベージュだけでなく、黒やそのほかの色を展開している場合もあります。
ロングストッキング
ロングストッキングは、つま先から太ももまでの長さのスタイルです。
太もも部分が編みだけのモデルと、すべり止めの「シリコングリップ」のついているモデルがあります。
通常は、編みだけのモデルで大丈夫な例がほとんどですが、落ちてきやすいような場合や丸まりやすいような場合はシリコングリップのついているモデルを選ぶと良いです。
太ももに食い込みが生じるような場合には、このスタイルは避けましょう。
こちらもブランドによってはベージュだけでなく、そのほかの色を展開していることもあります。
ハイソックス
ハイソックスのタイプは、つま先からひざ下までの長さのスタイル。通常のハイソックスに比べると、ひざの皿の下ぎりぎりまでの長さのものが多く、少し長めです。
むくみが下腿(ひざから下)に限局している場合に処方されます。大腿部に比べて、下腿部のむくみの度合いがひどいようなときに、ほかのロングストッキングやパンティストッキングの重ね履き用として使用される例もあります。
こちらもブランドによってはベージュだけでなく、そのほかの色を展開していることもあります。
つま先の有無や長さはむくみの状態で選ぶ
どのスタイルにも、つま先があるタイプとないタイプが用意されていることが多いです。
「指にもむくみがある」場合は、爪先の無い「オープントウ」を選択しましょう。
指一本一本のケアが必要なため、指は包帯やトゥキャップで個別にケアすることが望ましいです。
「指にむくみが無い」場合は、つま先のある「クローズトウ」も選べますので、ご自身の状況に合せて最適な形状選ぶと良いでしょう。
つま先は欲しいけれども指先が分かれている方がいいという場合にはつま先5本指の『弾性トゥキャップ』もあります。
医師の指示のもと購入する
圧の強さやスタイルは医師等医療者が決めるのが原則です。
場合によっては、サイズまで指定されることもあります。これは、「治療具」としてどのような弾性ストッキングを使用したら最も効果が高いかを、医師等医療者が考えて処方するからです。
(※医師からの圧・サイズ指定の弾性着衣装着指示書が無い場合での個人的試着購入はおやめください)
⇒弾性着衣装着指示書を書いてもらう方法
男性いストッキングは圧が強くて履くことが難しいといった、着用者ご自身が使用するのに困難があるようなものを選択される例もあります。継続して使用すること(毎日使用すること)が「治療」ですので、購入するときに少しでも難しさを感じるようであれば、無理に買わずにもう一度担当の医師と相談しましょう。