乳がんの手術後は、傷そのものの痛みのほかに、つっぱり感やピリピリと神経に触れるような痛み、傷のかゆみなどに悩まされる方も少なくありません。
素材や製法に注目してインナーを選ぶことで快適に過ごせる場合もあります。
今回は、術後用インナーの選び方について詳しくお伝えします。
手術後の痛みは避けられない?
個人差はありますが、手術後の傷の痛みは多くの方が経験します。手術後の痛みを少しでも和らげるためにできることを考えてみましょう。
セルフケアで痛みを和らげる
日常の工夫で痛みを和らげるために、ご自身の痛みが「いつ・どのような時に・どの程度の強さ」で起こるのかを整理してみましょう。また、「痛みを忘れているときはどんな時なのか」を考えることも大切です。
例えば、お風呂に入っている時には痛みを感じないようであれば、意識的に体を温めるような生活を心がけるのも良いかもしれません。
痛みを感じにくい姿勢や状況などを見つけて、医師と相談しながら少しずつ生活に取り入れていきましょう。
インナーをきちんと選ぶ

Burnaby, BC, Canada – May 30, 2018 : Motion of woman buying bra inside uniqlo store
これまで使っていた下着は術後専用ではないため、痛みやかゆみ、不快感が生じることがあります。そのような場合は、術後専用のインナーを選ぶことで、痛みや不快感を軽減できる場合もあります。
術後専用のインナーは、見た目は通常の下着と変わらないのですが、傷口や肌に優しい工夫がいたるところに盛り込まれているため、ストレスを感じずに身に着けられるでしょう。
痛みが気にならない術後用インナーの選び方の基準
「術後専用のインナーは種類が豊富で何を選んだら良いのか分からない」という方も多いでしょう。メーカーによって細かい部分の違いはありますが、専用インナーの多くは素材や設計、併用するパットの仕様にこだわって作られています。
ここでは、どのような基準で選べば良いのか見ていきましょう。
素材
術後用のインナーは、肌に優しい素材で作られていることが大前提です。やわらかな綿素材で、適度な伸縮性のあるものがおすすめです。
術後の肌はデリケートなため、ゴムや金属を使っていない、または直接肌に当たらない工夫がしてあることも必要です。なかには、「ザ・ブレストラップ・サラシ」のようにマジックテープまで布製にして刺激を減らしている商品もあります。
設計
術後間もない時期は、診察の際にも便利な前開きのインナーがおすすめです。脇の周辺が腫れることもあるため、痛みを感じる方は脇ぐりが大きめに開いている設計だとより安心でしょう。
アンダーは締め付けが強すぎず、圧迫感のないものを選ぶようにします。ただし圧迫による痛みを恐れて大きめのインナーを選んでしまうと、隙間ができてしまい、摩擦による痛みの元になってしまうことがあるので要注意です。
パットを併用
インナーのパットポケットに挿入して着用します。
パットは術後のデリケートな体を守ってくれる大切なインナーのひとつです。
バストの左右バランスを取ることで、身体の歪みを防止してくれます。さらに、外からの衝撃からバストを守ってくれる役割もあります。
術後しばらくはウレタンやスポンジ、ジェルなどで作られた軽量のパットがおすすめです。布でできたタイプのものは、直接肌に触れても刺激が少なく安心して使用できます。
手術方法や治療内容から選ぶ方法もある
術後のインナーを、手術方法や治療内容から決めることもあります。
乳房全摘術や部分切除術、乳房再建術、自家組織の再建術など術式によって必要なインナーも異なります。
あわせて放射線治療や抗がん剤治療などもありますので、お困りのことがある際は必ず医師に相談したうえで着用してはいけないもの、着用してもいいものを確認しましょう。
術後の経過とともにインナーを変えていこう
術後すぐは、前開きのインナーで過ごしていた方も、術後3か月ほど経過して傷が落ち着くと、レースのついた後ろホックの術後ブラジャーも身に着けられるようになり、おしゃれの幅が広がります。
KEA工房では、術後の体を優しくいたわりながら、気持ちが明るくなるような術後インナーが多数そろいます。是非お気軽にご相談くださいませ。