先に伝えておきたい3つのポイント
- リンパ液の滞りが原因のリンパ浮腫は、血液循環が悪いことで起こるただのむくみとは根本的に違う
- リンパ浮腫は早めの治療が大切で、弾性着衣での圧迫治療が有効
- 放置していると危険なため、むくみが気になったら自己判断ではなく専門医を受診する
リンパ浮腫になると「むくみ」が起こります。むくみというと、仕事終わりの足の疲れと同じように考えている方もいますが、それは大きな間違いです!ここを区別していないと、対処が遅れて大変なことになります。
リンパ浮腫とただのむくみの違いを確認しておきましょう。
仕事終わりに足がむくむ「起立性浮腫」
立ち仕事や座りっぱなしなど、ずっと同じ状態で仕事をしている方は足のむくみに悩まされると思います。
とりわけハイヒールを履くことが必須の職業の方は、仕事終わりには足がパンパン!つらさも倍増です。
このむくみは「起立性浮腫」と言い、女性に多い症状です。
起立性浮腫なんて言葉を聞くと大変な状態のように聞こえますが、ようは「ただのむくみ」なのでご安心を。
ずっと同じ姿勢のため血液の循環が悪くなり、全身を巡るはずの静脈の血が足に滞り、結果として足がむくむのです。ほとんどは1日寝れば治ります。
また、飛行機で長時間座っていると、同じような症状が出ることがあります。機内ではこまめにトイレに行くよう心がけたり、軽いストレッチを取り入れたりすることが大切です。
ただのむくみは運動不足を解消することで改善します
ただのむくみは女性によく起こります。それは、筋肉が少ないからです。足の筋肉は血液を押し出すポンプの役割をするので、ここが弱いと押し出す力も弱くなり血液がうまく流れてくれません。
運動不足を改善して筋肉を鍛えることで、同じ時間立ち仕事をしてもむくみにくくなります。
ふくらはぎを鍛えるウォーキングがおすすめです。
仕事が忙しくなかなかウォーキングに行く時間の取れない女性も多くいるでしょう。
そのような方は、仕事や家事の合間に関単にできるマッサージでもむくみを解消できる場合があります。
【マッサージの方法】
①いすに座っている状態で、右足を左の太ももに乗せる
②そのまま右足首を大きく時計回りに約20回、逆回りも約20回まわす
③右足のすねの内側の骨を、人差し指の第2関節を使って足首から撫で上げる。(外側も同じように。)
左足も右足と同様に、①②③の順番でマッサージします。
あまり強く撫で上げず、ほどよい力加減で行ってくださいね。
このマッサージは、ストッキングや靴下を履いたままでもできるので、手軽に取り入れてみましょう。
リンパ管の働きが障害されて起こるむくみが「リンパ浮腫」
私たちの体内に張り巡らされているのは血液を循環させる血管だけではありません。
リンパ管も血管と同じように体内に張り巡らされています。
リンパ管とは体の「排水管」です。
体に不要な老廃物を運ぶリンパ管は、血管と同じようにとても大切な器官です。
しかし、なんらかの原因でリンパ管の機能に障害が起きると、体液が皮下組織に染みだし、むくみが起こります。これが「リンパ浮腫」です。
・ただのむくみである「起立性浮腫」・・・血液循環の滞り
・リンパ浮腫・・・老廃物を運ぶリンパ管の滞り
同じ浮腫という名前が付きますが、このように根本的に違う症状ということを覚えておきましょう。
リンパ浮腫の原因は大きくわけて2つあります
リンパ浮腫には一次性(原発性)と二次性(続発性)の2つの原因があります。
一次性は原因不明や先天性なもので、発症時期もさまざまです。生まれたときからなっている人もいますし、思春期や妊娠出産を機に発症することも多いようです。
もうひとつの原因は、手術や放射線治療が原因の二次性のものです。けがや炎症が原因で発症することもありますが、最も多いのが乳がんや子宮がんなど、婦人科系のがん切除手術によって発症するパターンです。
乳がん切除手術だと腕のリンパ浮腫に、子宮がん切除手術だと足のリンパ浮腫を発症することが多いです。
リンパ浮腫は早めの治療が大切です
初期のリンパ浮腫は自覚症状が少なく、気づかないまま進行してしまうことがあります。
違和感はあるもののほとんど痛くないので、そのまま放置してしまうことが多いようです。
しかし、症状が進むと指で皮膚を押しても戻らなくなり、徐々に皮膚が硬くなっていきます。
そのころになると見た目の太さが全く違ってきます。
かなりひどくなると「象皮病」と呼ばれる、まるで象のような硬い皮膚に変形・変色して腫れあがります。
こうなると精神的なダメージも大きく、人目が気になって外に出かけられなくなったり、ふさぎ込みがちになったりしてしまう患者様もいらっしゃるようです。
少しでも違和感がある場合は、早めに専門医を受診してください。
リンパ浮腫の治療には「弾性着衣」が有効です
病院で医師からリンパ浮腫と診断されたら、症状に合わせてさまざまな理学療法をすすめられます。
・スキンケア
・運動療法
・リンパドレナージ(マッサージ)
・圧迫療法
これらの療法と日常生活の注意を組み合わせた治療を「複合的理学療法」と言い、医師の指示のもと実践していきます。
そのなかでも、「圧迫療法」は早期のリンパ浮腫に有効な治療法で、
「弾性着衣」と呼ばれる弾性スリーブや弾性ストッキングを着用します。
この弾性着衣を使用することで得られる効果は2つ。
1.圧迫することで、むくみの原因である水分が組織の隙間にたまらないようにする
2.リンパ液の逆流を防ぐ
着用するだけという手軽さですが、着用には守るべき決まりがありますし、着用方法もコツがあります。
くれぐれも自己判断せずに、医師の指示のもと正しく使用してください。
KEA工房ではリンパ浮腫治療用の弾性着衣をお取り扱いしています
婦人科系がんの術後下着専門店のKEA工房では、下肢リンパ浮腫の方のための医療法弾性着衣を各種お取り扱いしています。
圧迫の力は、医師の指示により決定させていただくものもあります。
気になる商品がありましたら、KEA工房の専門スタッフにご相談ください。
自己判断は危険!気になるむくみはお医者さんに相談しましょう
婦人科系の手術の経験があり、むくみが気になる方は、一度医師の診断を受けましょう。
「ただのむくみ」だと自己判断で放置していると危険です。ぜひ一度専門医を受診してください。
そのうえで、弾性着衣の製品について気になることなどがありましたら、
どうぞ遠慮なく私たちKEA工房スタッフへお問い合わせくださいませ。
患者様のご不安が少しでも軽くなるようにアドバイスさせていただきます。