先に伝えておきたい3つのポイント
- 2~3枚以上用意して適度に休ませることが弾性ストッキングを長持ちさせるコツ
- 最初に足先部分までを裏返してかかとの位置を合わせるように足を入れる
- 左右対称に少しずつ引き上げることで生地を傷めず圧迫力も正しく作用する
がん術後による下肢リンパ浮腫や長時間座った姿勢のままで起こるエコノミー症候群など、
足のむくみを予防・改善するために有効なのが「弾性ストッキング」です。
「履くだけ」という手軽さが便利な商品ですが、実は履き方を間違えたまま使用されているお客様が多いんです。
間違った履き方は商品を傷める原因にもなります。今回はこの弾性ストッキングの履き方のコツをご紹介します!
そもそも「弾性ストッキング」とは?
弾性ストッキングとは、履くことで適度な圧力を足にかけて血の流れを良くする商品です。
血流が良くなることでむくみを予防・改善します。
主に医療機関で取り扱い、医師の診断によって購入が可能となっています。
ドラッグストアやネットで購入可能なものもありますが、そちらは一般向けの着圧ストッキングで、
目的が違いますので注意するようにしてください。
下肢リンパ浮腫といった治療が必要な症状にはもちろん、
立ち仕事や逆に座りっぱなしの仕事をしている人にもおこる「むくみ」は、女性にとって身近な悩みですよね。
そのようなときに便利なのが弾性ストッキングです。
弾性ストッキングの圧迫力の強さはさまざまで、
日常のむくみに対応するライトなものから、術後のリンパ浮腫に対応するハードなものまでありますよ。
震災の際に仮設住宅で暮らす人々に「エコノミー症候群」という症状が多数起きたことで、
弾性ストッキングに対する注目度も高くなりました。
履き方を間違えると、効果が激減!
弾性ストッキングは、足首の圧迫圧がもっとも高く、上にいくほど低くなる段階的圧迫法となっています。
これによって滞っていた血液を心臓の方向に戻す働きがあります。
乳がんや子宮がんなどの手術後に浮腫の症状が出やすくなる患者様が弾性ストッキングを着用することで、
下肢の静脈血やリンパ液のうっ滞といった症状の予防や軽減ができます。
構造自体は一般に販売されている着圧ストッキングと同じですが、
その圧迫圧は市販の2倍ほどもあり、履き方にコツがあります。
また、正しい使用方法でないと、不快に感じる場合や浮腫を悪化させることもあるのです。
普通のストッキングより分厚く圧迫力が強いので、いつもと同じように履こうとしても固くて履くことができません。
無理に間違った履き方をすれば位置がずれて、適正な場所に圧力がかからなくなってしまいます。
履くタイミングも重要です。足のむくみを感じてから履いては、効果が低くなります。
むくむ前、朝の段階から履いておくことでむくみを予防することができます。
弾性ストッキングは、できれば3枚用意しましょう
弾性ストッキングに限らず、着用するものを長持ちさせるコツのひとつが「適度に休ませること」です。
毎日のように着用し続けると生地は傷みます。弾性ストッキングも同じです。
履く→洗濯→履くを毎日繰り返していると、傷みも早くなります。
履く→洗濯→休ませるのリズムがつくように、洗い替えを考えて2枚、できれば3枚以上あると安心ですね。
弾性ストッキングの履き方をご紹介!
では、弾性ストッキングの履き方のコツをご紹介します。
1.ストッキングの中に手を入れ、かかと部分をキャッチ
2.かかと部分を掴んだまま、もう片方の手でそこまでの部分を裏返す
3.かかと部分に入れやすくするため、弾性ストッキングの口を両手で広げる
4.かかとの位置がしっかり合うように足を入れる
5.足先をきれいに入れられたら、裏返っていた部分を表に返し引き上げる
(参考画像:テルモ株式会社ジョブスト製品)
履き方では「最初に足先部分までを裏返す」というのが弾性ストッキングならではですよね。
これをやっていなかった!という方も多いのではないでしょうか?
弾性ストッキングは普通のストッキングより硬いので、
くしゃくしゃと手でたくし上げてから履く、ということができません。
無理にいつも通りの履き方でやろうとすると、引っ張り過ぎて生地を傷めます。
6.シワやたるみがないかチェック
シワやたるみがあると血流を妨げてしまう原因となりますし、履き心地も良くありません。
指先で丁寧に直しましょう。
7.一気にではなく、少しずつ引き上げる
両手でストッキングを持ち、左右対称に少しずつ揺らすようにゆっくり引き上げましょう。
こうすることで一点を集中して伸ばしてしまうことを防ぎます。
8.最後まで履けたらもう一度シワ・たるみをチェックして完成
脱ぐときもこの手順を逆にして、丁寧に脱いでくださいね。
この履き方・脱ぎ方をすれば生地を傷めませんし、圧迫力も正しく作用します。
KEA工房で取り扱っている弾性ストッキング
症状やファッション性で選べる弾性ストッキングの正しい履き方をマスターしたところで、
KEA工房が取り扱っている弾性ストッキングをご紹介いたします。
【メディプラス】
リンパ浮腫の方のための、リンパ浮腫治療用弾性ストッキング。
圧迫力がクラス1~クラス3までの3段階ご用意しています。
着けている時間が長いことを考慮し、つま先は開いているタイプ。
夏でも蒸れにくくて、快適に過ごせます。つま先を付ける加工も有料で対応可能です。
【メディエレガンス】
メディプラスよりも薄手のこちらは、豊富なカラーバリエーションが特徴です。
全9色あり、タイツ感覚で色味を楽しんでいただけるファッション性が高いアイテムです。
【ジョブスト】
(参考画像:テルモ株式会社ジョブスト製品)
病院でも取り扱っていることが多い商品です。
カラーはベージュとブラックの2色でご用意。
静脈瘤の方でもお使いいただける薄手のウルトラシアーもございます。
【ココフィープラス】
(参考画像:東レ・メディカル株式会社ココフィプラス製品)
最近登場した東レ・メディカル株式会社の弾性ストッキングです。
カラーは1色のナチュラルベージュ。従来のように後染色してるのではなく、
糸になる原材料に染色してから織っているので素肌に近いナチュラルな
仕上がりになっています。
KEA工房では弾性ストッキングの試着も可能です
素材が知りたい、履き心地を試したい方はぜひご予約くださいませ。
※試着の場合は医師の指示書が必要になります。
※試着サンプル品はすべて揃っているわけではございません。