先に伝えておきたい3つのポイント
- 温存手術を受けたら、乳房を優しく保護する術後専用下着を着ける
- 術後すぐは「ホスピタブルシリーズ」、経過が落ち着いてきたら「ロザルノシリーズ」
- 術後専用パットで患部を優しく保護し、胸の左右のバランスを整える
乳がんの下着、どう選ぶ?
ピンクリボン運動といった乳がん検診啓発運動のおかげで、
日本人女性のなかでも早期発見の重要性が浸透してきました。
その結果、乳がんを患っても全摘しなくて済む患者様が増えてきています。
そこで気になるのが術後の下着ですよね。
部分切除術(温存手術)することができた乳房を優しく自然に包む、術後専用下着をご紹介いたします。
術後は必ず術後専門下着を着用しましょう
部分切除術(温存手術)を受けたあとは乳房を優しく保護する必要があります。
下着は肌に刺激のない通気性のよいものが基本です。
レースや装飾が施してあるものは擦れて刺激になってしまうので術後すぐはNG。
入院中は何度も診察や検査、放射線治療などで胸元を開ける機会が多いため、
後ろではなく前に着脱部がある術後下着がスムーズで最適です。
術後すぐは患部保護をメインに、術後しばらくしたら見た目やバランス保持をメインに術後下着を選びましょう。
それでは時期別におすすめの下着をご紹介します。
手術後すぐにおすすめ「ホスピタブル・コンフォート」、「ホスピタブル・ロング」
まず、術後すぐに着用するならばKEA工房の「ホスピタブルシリーズ」がピッタリです。
術後すぐは傷口が痛くて腕が思うように動かない場合があります。病院で購入できる胸帯は、包帯のようにグルグル巻くタイプのものが主流で、着脱や洗濯が大変です。とくに腕の自由がきかない時期に毎日使用するものであれば、なおさらストレスもかかります。
その点、「ホスピタブル・コンフォート」は着脱がベルクロテープ(面ファスナー)になっており、指先の力だけで簡単に着脱可能。ベルクロテープなので、テープ面の範囲で体調に応じてサイズ調節できます。
素材はもちろん通気性のよいコットン素材。
汗ばむことが多い入院生活でも汗をよく吸ってべたつきません。一年中快適に過ごしていただけます。
カラーは使いやすい杢(もく)グレー。
さまざまな体型の方に使っていただけるよう、S・M・L・LL・3Lでサイズ展開しています。
手術箇所が下部にある方やドレイン使用中の方には「ホスピタブル・ロング」がおすすめです。
こちらは透けにくいモカ色でのご用意。
バストをすっぽり包みこむのでボリュームのあるバストの方におすすめです。
「ロザルノ・アジャーレ」
バスト全体をしっかり包む、フルカップブラです。
フルカップだからこその大きなポケットで、温存した乳房の形を整えるパットもスッキリ入ります。
レースや色味に凝ったつくりで術後下着としてだけでなく、
エイジングケア下着として幅広い女性におすすめの商品です。
共通デザインのショーツやボディースーツ(2019年販売終了)もご用意しております。
「ロザルノ・タスカ・デュエ」
術後は胸元の傷跡が気になって、なるべく首の詰まったお洋服を選ぶというお客様もいらっしゃいます。
しかし、そのせいで着たい服を着られないなんて、もったいない!
傷跡が見えない工夫をすれば、襟ぐりが開いた服でも変わらず選べます。
こちらの「ロザルノ・タスカ・デュエ」は、カップ部分と同じレースを胸元にもプラス。
キャミソールのように胸元をカバーしてくれるので、
前かがみになったときに胸元が見えてしまう・・・なんてことになりません。
カップ内側にはもちろん大型ポケットを装備しております。
左右のバランスを整える「術後専用パット」
術後すぐはウレタン製の薄い「ホスピタブルブラ用パット(レギュラータイプ)」、「ホスピタブルブラ用パット(ラージタイプ)」、綿製の軽い「初期ケアパット」や「手作りパット」を利用して、患部を優しく保護しましょう。
術後しばらく経過した後は、軽量のものを常に使用してしまうと胸のバランスが左右で違うと見た目のアンバランスさだけでなく、身体のバランスも心配です。また、重さの均衡を保とうと知らず知らずのうちに力が入って、肩こりや頭痛につながることもあります。
「重さが少し欲しい」、「ボリュームを重視したい」となったら、パットもシリコン製やジェル状のものに変えるのがおすすめです。
そこで左右のバランスを整えるためにおすすめなのが、
シリコンと綿がセットになっている「Anitaプロテーゼ1057X」です。
表面は薄いシリコン製で触り心地も乳房に近い作りですが、裏面は切り込みがありフリース(綿)を挿入します。
ご自身で医療用フリースの量を増減することでボリュームも思い通りに。美しいシルエットがつくれます。
そのほか、ジェルパットを調整しながら使用する「ブライトアイズ マロン型パットセット」や、乳房にかぶせて補整する薄いシリコン製パット「アモエナ バランスナチュラ」など、お体の状態やご希望に合わせてさまざまな種類のパットをご用意しております。
術後下着専門店として・・・私たちKEA工房の取り組み
部分切除術(温存手術)を受けたあとの患者様のご不安はかなりのものと思います。
「乳房が残ってよかった」と思われがちですが、実際には、見た目の傷や、乳房の大きさの変化に戸惑われていることと思います。
長く続く治療や、放射線治療による皮膚の色や状態の変化、今後の再発の不安もあり、手術が終わってからも、しばらくは心身ともに不安定な状態でしょう。
生活面でも、お医者様には相談しづらいような様々な悩みと向き合っている方が多いようで、
「胸の大きさにフィットしたブラジャーを付けられないことがつらい」と言う声をよく耳にします。
ブラジャーをつけないことで身体のラインが崩れているような気がして、これまでのようにおしゃれを楽しめなくなってしまったとのこと。
女性にとってインナーの悩みは、とてもデリケートであり重要な問題です。
患者様の心に寄り添うことを目指して各種講習会を開催しております。
下着相談会のほか、術後むくみセルフケア、リハビリヨガ体験教室など、さまざまな趣向の講習会をご用意しております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。スタッフ一同、お待ちしております。