先に伝えておきたい3つのポイント
- 同じ内容の乳がん検診でも、年代によって費用が変わる
- 違和感やしこりなど自覚症状があれば、検査に保険が適応される
- 乳がんの罹患率の上昇により、年々変わる環境と補助
近年、乳がんに関する情報を見聞きすることが多くなっています。
日本人女性の乳がん患者数が急増していることで、
セルフチェックや検診の呼びかけも増えてきたためだと考えられます。
欧米人と比べて少ないとされてきましたが、
日本人女性にとっても決して人ごとではない病気となってしました。
現在、日本人女性の12人に1人は乳がんになると言われており、これからも増えていくかもしれません。
ただし、乳がんは検診で早期発見が可能ながんですので、定期的に検診を受けることはとても大切です。
しかし、この乳がん検診、同じ内容でも年齢や条件によって費用が変わることはご存じですか?
39歳と40歳では費用が変わる!?
乳がんは自覚症状がない段階でも、検診で発見されることがあるがんのため、
各自治体が乳がん検診に補助を出しています。
これを読んで「自治体が補助してくれるなら検診を受けてみようかな」とお考えの方もいるかもしれませんね。
しかし、40歳未満の人と40歳以上の人では費用面で違いがあります。
検診を受けましょう!とさんざん呼びかけられていますが・・・
実は、39歳までは補助が出ない場合がほとんどです!
39歳だと補助が出なくて、40歳なら出る・・・なぜ違いがあるのでしょうか?
40代になると急に上がる乳がん罹患(りかん)率
乳がんは40~50代が発症のピークです。
40~75歳くらいまでは罹患率が高く、目立って減ることはない要注意な年齢層です。
30代でも乳がんになることもありますが、
こちらは「若年性乳がん」とカテゴリされ、数としてはかなり少ないです。
85歳以上に比べ30代の方がずっと罹患率は低くなっています。
このように30代は発症リスクが40歳以上より比較的低いため、
各自治体の検診費補助は「40歳以上」と決められており、
「40歳以上、今年の誕生日で偶数歳(40、42、44・・・)になる人が補助対象」という規定が一般的です。
40歳以上ならば2年に一度は補助で検診が受けられる仕組みですね。
検診費は「問診」「視触診」「マンモグラフィ検査」の全てを受けても無料、もしくは数千円の自己負担のみ、という自治体が多いです。
補助してもらえるケースに当てはまるかチェック
39歳までは補助が受けられないのはなんとも残念ですが、限りある税金を使うわけですから、リスクが高い年齢層のみに補助するという区別は仕方ないかもしれませんね。
そこで、各自治体の補助が無理でも、ほかに補助をしてもらえる場合があります。
会社員の方なら、会社が義務付けている健康診断のなかに希望で乳がん検診が入っているかもしれません。
専業主婦の方なら、夫が加入している健康保険組合で
「扶養している主婦の健康診断・各種検診」を補助してもらえる場合があります。
その場合、検診費用は
・提携先の病院なら書類を出せば補助が適用される
・いったん全額自己負担で受診し後日書類を出して補助金が振り込まれる
の2種類があります。病院に行く前に確認しておきましょう。
補助対象外ならば全額自己負担
自治体も会社も全て補助対象外だった場合、残念ですが検査は自己負担になります。
この自己負担ですが、通常の通院で払う3割負担ではありません。
健康な人が受ける検査は全額自己負担になるので、なんと10割全てが自己負担になってしまうのです!
全額自己負担ですので、料金は病院によってまちまちです。
・問診
・視診
・触診
・マンモグラフィ検査
これらを全て行うと10,000円前後ほどでしょう。
これにもし超音波検査を加えると、5,000円ほどアップするようです。
無料で受けられる自治体もあることを考えると、この費用の差は大きいですよね。
自覚症状があるならば保険適応
全額自己負担になってしまうと、なかなか気軽に検診は受けられませんよね。
ただし、これはあくまでも「何の症状もないけど検査したい」という場合のみです。
しこりがある、腕を動かしたときに胸に違和感があるなど、
何かしら自覚症状があるならばもちろん保険が適応されます。
普段の病院通いが3割負担なら同じ3割負担で検査ができますので、どうぞご安心ください。
10割負担で負担額が10,000円の場合、保険適応で3割負担となると3,000円で検査できます。
40歳以上だけど補助が受けられる該当年ではない、という場合も自覚症状があるならば保険適応で検査できます。
気になるところがある場合はすぐ受診してくださいね。
早期発見、早期治療ができれば、治療の選択肢の幅が広がるかもしれません。
乳がんを取り巻く環境は年々変わってきています
現状としては12人に1人が罹患すると言われている乳がんですが、
30年前の罹患率は今の半分ほどしかありませんでした。
しかし、現在は、日本人女性がかかるがんの上位に乳がんが入っています。
生活スタイルの変化や食生活の欧米化などの原因によって、罹患率は年々上昇しています。
それに伴って、乳がん検診の補助も手厚くなってきています。
この先、若年性乳がん者数の増減によって年齢による制限もまた変わる可能性もあるでしょう。
医療に対する補助は知らないうちに改定されている場合がよくあります。
そのため、自分はどのような補助が受けられるのか、その都度確認することが大切です。
また、検診費補助だけでなく、乳がんの患者様をフォローする体制も今はたくさんあります。
例えば、乳がんで手術をされた方のために、乳房補正具や医療用ウィッグに助成金を出している自治体や、
仕事をしている人が乳がんになっても、退職せずに働きながら治療を続けられる体制を整えている会社も増えているようです。
KEA工房も術後下着専門店として、
乳がんや子宮がんなど女性特有のがんを経験された方の力になれるよう、
定期的に下着相談会や専門の講師を招いた術後ケア講習会などを開いています。
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