シリーズ「リンパ浮腫」の最終回は「運動療法」です。
目的
リンパ管は管自体でも収縮はしますが、筋肉の収縮作用によって、より多く動き、リンパ液の流れが促進されます。「運動療法」を圧迫下で行うことで、筋肉の収縮作用と圧迫の相乗効果で、リンパ液の流れを良くすることを目的とします。
また、浮腫みがある状態が続くと、関節を動かしにくくなることがあります。運動療法はこの関節部の動きを悪くしない予防の役割もあります。
注意すること
①必ず圧迫下で行うこと:弾性着衣や弾性包帯を使用した状態で圧迫を行うときには、「蒸れ」に注意が必要です。運動後に一度弾性着衣・弾性包帯をはずし、スキンケアを行ったうえで乾いた弾性着衣・弾性包帯に交換することをお勧めします。
②ゆっくりと、大きな動きで行う
③「疲れた」と感じるほど行わない:疲労はリンパ浮腫の増悪要因の一つです。たくさん動けば筋ポンプや関節ポンプをたくさん使って、たくさん流すことができるだろうと考えるのは危険です。「無理をしない」ことがとても大切です。
④無理をしないで「続ける」:「少し」のことを「毎日継続」することが大事です。
⑤負荷はかけない:ウォーキングの際に軽いダンベルや水を入れたペットボトルを持って行う方法がありますが、リンパ浮腫治療としての運動の場合は負荷はかけません。
⑥個人の状態にあった内容で:個人個人のむくみの状態や年齢・筋力など総合的に判断することが必要ですので、治療者とよく相談して内容を決めることが大切です。
どんなことをするか
筋ポンプ活用するために関節部をひねる運動や曲げ伸ばす運動をします。
上肢:ひじの曲げ伸ばし、手首の前後屈、手指の曲げ伸ばしなどです。動ける患者であれば、日常の動作でも対応可能な動きです。
下肢:ひざの曲げ伸ばし、足首を回転させたり前後屈させたりします。動ける患者であれば、「歩く」ことでも十分な場合があります。
今回で一般的な「リンパ浮腫」の治療の全体像については終了となります。
次回からは「在宅」で「自己管理」を行っていくうえでのヒントを掲載していきたいと思います。
《《《《《次回は2016年3月22日(火)アップ予定です》》》》》
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